コロナ禍の影響が凄まじくなっていますが、大雪山もこの影響を大きく受ける年になります。
山守隊として今期はどうするべきか考えてみました。
これは人に対して「こうしようよ」というものではなく、「自分たちはこうするよ」という思いです。
現状を見る限り、コロナ蔓延を防ぐため、最前線で活動している人の苦労は想像以上だと思います。また、大雪山での仕事を生業としている方々の苦労を見るといたたまれない心情になります。
ほとんどの分野で今まで通りの状態を続けることは難しい状況になっていると感じています。
山守隊も同様に今期のイベントのほとんどを中止する予定です。
昨年までは登山者と協働して登山道を管理していくため、たくさんの人の力を借りるイベントなどを開催していましたが、今期は人を集めることも「山に来て」とお願いすることもできません。
いろいろと対策を考え、“業務の中で登山道整備時に現地集合解散での少人数整備”やら、“登山口に資材を用意して、登るときに持って行って・・・”やらの案を考えては見たものの、どちらにせよ「山に来て」というお願いになってしまうため、諦めました。
追いつめられると本領を発揮するおかざきとしましては、ここに至って考え改め、今期は「いつもやっていないことをやろう」「苦手なことを克服しよう」などの方針に転換することにしました。
いつかまた、気にせずに山に登れるようになったときにはもっと良い環境になっているように、山岳管理団体として行動しようと思います。
今期も整備イベントなどを皆さんと行ないたい気持ちはあり、状況が許せば予定変更で計画しようとは思いますが、今は我慢の時ですね。状況に合わせたいと思います。
実は山岳管理とは登山道整備をするだけでなく、整備の前後にやるべきことが多々あります。
・登山道の課題の状況を収集し調査する
・収集した情報をまとめ関係者と共有する
・技術や知識を持って管理計画を立てる
・現場で動くための段取りをする
・現場で整備を行なう
・整備個所のモニタリングやメンテナンスを行い、記録を撮る
・記録した情報を関係者で共有する
・情報を様々な分野の方々に伝え、課題を伝え整備資金を募る
等々、部分的な整備をするだけでもやるべきことは多々あります。
しかしながら、これだけをやってみても現状の荒廃を止めることはできません。
現状では荒廃のスピードに対応できるシステムにはなっていないのです。
なのでこれに加えて
・登山道整備技術を深め共有すること
・費用が少なくても効果が高い管理方法を生み出し実用化すること
・ボランティアチームが管理の中で活躍できる体制を作ること
・大雪山の管理に関わる費用を割り出し、どのくらいの費用対効果があるのか調べること
等々、本来は民間団体が考えることではないのかもしれませんが、どう見ても管理している行政だけでは対応できなくなってきているので、民間からのアイデアや行動力を合わせていく必要があると思っています。
今までは現場で動くためにいろいろな行動をとっていたのですが、本当はそれらを管理するシステムを変えていかなければスムーズに動くこともできないんです。
そのためにはたくさんのまとまった資料が必要で・・・・要するに、やらねばならないのは事務作業なんですよ!自分の苦手な事務作業を進めなければ次の段階は無いんです。
いつもは体力の限りを尽くして帰ってくると、事務作業なんてクソクラエと思ってしまいますが、大事だということは知っているんですよ~。苦手だけどね・・・。
なので今期は
・登山道整備の技術が共有できるようにしてみたり(これは楽しそう)
・現場での小人数での新しい資材運搬方法を試してみたり(アイデアはたくさんあるんです)
・登山道のデータを収集し共有できる状況にしたり(なぜできないのか不思議です)
・ボランティアチーム体制を構築したり(これは今後必要なシステムですね)
・今まで撮りためた画像や映像を出してみたり(ヒグマを含めてたくさんあるんです)
・関係機関とアイデアを実行したり(協力してくれる人も多いです)
と、次につながるアイデアを実践しつつ共有できるようまとめようと思います。
正直言って、今頭の中にあるアイデアがしっかりと実行できるようになったときには、今まで以上に楽しく、整備のボリュームもアップします。
荒廃が進むマイナスの状況から復元へ変わるプラスの状況に変えられるチャンスかもしれません。
皆さんと協働できない我慢の時ではありますが、将来の展望を考えた時には実はとってもワクワクしているんです!この停滞にも見える振り返り期間はきっと無駄な時間ではありません。
収入の心配はありますが、貧乏にはとことん強い思想と健康で良かった。
見渡すとチャンスがごろごろと見え始めています。
家にいてもできることはたくさんあるはず。ここぞとばかり!です。
整備イベントとしては小休止するかもしれませんが大丈夫。次はもっと楽しい作業になるはずです。
その時を信じて、無理だと言われることにチャレンジして、出来るようにするために努力してみたいと思っています。
大雪山・山守隊 おかざきてつぞう
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