8月20日、北海道大学の先生と山関係者で黒岳で整備した場所の検証を行ないました。
たまには山へ恩返しイベントの雲の平で施工した場所です。

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昨年は豪雨被害で路床が削れてしまう場所もありましたが、今年はどうだか・・。
見る限りは全く問題なく、土留めもあと数年は土砂を溜め続けてくれそうなスペースがある。

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法肩に崩れていた植物を戻した場所は・・
植物がしっかりと生きている。
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これなら問題なく生き延びそうです。
そして、この植物が根を張ることで、もっとしっかりした地盤ができるはずです。
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そして気になったのがここでした。
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堆積した土砂を取り除いた場所。
うっすらと緑色に変わった場所がある・・・

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どうやら苔の一種が生えてきたようです。
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皆で掘り出した場所からは,一見枯れているように見えた枝から
新たな芽がたくさんでていました。
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植物が専門の北大の工藤岳先生によると
苔は火山灰という貧栄養の土壌で一番先に生えるものであり
苔が生えることで土壌が乾燥しにくくなり、次の植物が生える機会ができるそうです。
また、枯れたような枝から出た芽は植物が生きている証、
土壌を取り除いたおかげで生き延びた可能性が高いとのこと。
やってよかった・・・。

この場所での植生復元は更なる土砂堆積を防げれば
このまま大丈夫ではないか、とのこと。
土留めは機能しているし、モニタリングしながら徐々に追加施工ですね。

このイベントで別に試されていたのがこの麻ネット。
チングルマの種が蒔かれ、それを覆っていたものです。
残念ながら、発芽は見られませんでした。
また、光を覆ってしまうことによる弊害もあるように感じます。
(農家視点で見るとこれは防草シートです)
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山守隊及び北海道山岳整備が行なう「近自然工法」では
植物の種子を採って蒔くことはほとんどありません。
生態系の底辺が住める環境を復元させれば、おのずと生態系ができるはず。
土壌が安定するきっかけさえ作れば、自然は出来上がっていくはず。

また、先日行なった赤石川での施工も見てもらいました。
法面の傾斜が緩くなって植物が定着する、という考え方は間違っていないようです。
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先生から「施工はどのくらいの時間がかかったの」という質問があり
30人で約3時間半、と言うと驚かれ
「ぜひヒサゴ沼や大雪山の奥地でもやってほしい」とのこと。

やりたいけれど、難しい問題が多々ありますね。遠いし・・。
いつかぜひ解決して進めたいものです。

近くの北海沢の崩れも視察。
ここは以前からどうしようかと言われていた場所。
先生も施工方法はわからないとのこと。
だけどこちらには登山道整備の手段はたくさんあります。
検証だけでなく、このメンバーで整備をしたかった。
少々の資材があれば数時間もかからずに侵食は止まるのに・・。
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来年に持ち越しです。
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自然を観察していると植物が復元していく手段は多々あるように感じます。
法面の崩れた場所から伸びる枝は通常より長く、年間数㎝も伸びるとのこと。
それが土壌を捉えるとそこで根を張り根を張ることで土壌が強固になっていく。
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そして、植物の成長には有機質の土壌があれば早い復元があるとのこと。
火山灰のような貧栄養土では植物は成長し難いけれど、植物が時間をかけてできた
有機質の土壌では成長が格段に違うそうです。
農業をしていると当たり前のことでしたが、
やはりその感覚で良いのだと実感することができました。

近自然工法は生態系の底辺を大事にします。
高山帯での底辺を形作っているのは安定した土壌環境です。

土壌流出している現状を何とか止めたいと、再確認できました。

北海道大学、工藤先生、愛甲先生
企画した上川総合振興局、
ありがとうございました。

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