おかざきです。
10月24日、25日
長野県戸隠高妻山と雨飾山で登山道整備技術講習を行なってきました。
昨年に引き続き2度目の講師役です。

大雪山の業務はあらかた終了しましたが、膨大な報告書作成があります。
ですが今シーズンは下條さん菅原君に押し付けてます。
いつもは年末までやっているけれど、気が付けばだいたい目途が付いている。
すごいね、自分は現場は強いけど報告書は苦手なんだ・・・。
心強いかぎりです。二人とも風邪ひいてますが・・・。

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出発の日、台風にも吹雪にも強い旭川空港。
だけどまさかの5時間遅れ。機材トラブルはしょうがないけど・・。

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予定していた下見ができず、ぶっつけ本番。
そして作業前に宴会が始まっている。着いたら皆さん出来上がっていました。
明日が本番なのに夜更けまで呑みまくり。オイオイ・・・

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高妻山で・・・と言っても山頂までは行かず、登山口から15分程度が作業場所。

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ちょうど樹林帯が見事な紅葉。

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歩くだけで嬉しくなる風景です。

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初日は行政関係者、地元有志20名と講習です。
地元を代表するガイドや作業者、ソウソウたるメンメンです。

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ここは昨年の講習後に地元の方々だけで施工したという場所。
近自然工法は考え方を理解しなければなかなか進まないもんです。
まだまだ自然に近い工法ではないけれど、理解するための必ず通る通過点にあります。
この施工がどう変化するのかを見極めてください。
考え方が理解できると方法のバリエーションが格段に増えます。
期待しています。

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今回の講習場所はここ。
斜面をトラバースする場所。
踏圧によってどんどん削られている場所。よくある事例です。

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作業はいつものごとく。
できる人に出来ることをやってもらう。
かかり木も、できる人がいれば良い資材に変わる。人は大事です。

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4mと5mの木材を切り出して持ってきて!
かなりハードなお願いをしますが、実力者が多いと簡単に集まります。

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役割分担、大事です。

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ほどなく完成。施工前後です。

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木柵がある限り、崩れることはほぼありません。

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木柵工ですが、杭は使いません。
当て木と石材、横木の法面貫入などで強度を確保します。

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いつかこの場所も風景の一部になってくれると嬉しいです。
人も楽しく前向きな人が多かった。大雪山にも来てもらいたいな。

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早々に終わらせた後は場所移動。
次の日の講習場所へ。
もう20名ほどが待機してくれていました。

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凄い宿だった・・。武田信玄の時代に発見されて450年続くとか。
宿の当主も21代目。建物自体が文化財。

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最初に屋内講習・・・と言いつつこちらがメインのよう。
いろいろな方からの差し入れでこれまたすごいことに・・。
まだ現地講習前なんだけどね・・・。

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だんだん酔いが回ってくると、皆さん良くしゃべる。
「明日はどういう方法を使うのか、楽しみだ!!」
「あんなひどい崩れをどう直すのかね!!」
「別の道に付け替えなければならないと思うよ!」
この講習会を企画した主催者も
「岡崎さんが本当にあの場所をできるのか不安です・・」
オイオイ下見もせず、ぶっつけ本番でどれだけプレッシャーかけるんだよ・・。
呑みつつもかなり不安になってくる前夜でした。

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講習前の飲み会は2時頃まで続いたそうです。
でも皆さんケロッとしている。

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登山口には・・画期的!!携帯トイレ自販機。
パンの自販機を改良したそうです。かなりの売れ行きとか。
大雪山でもどうかね。

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さんざんプレッシャーをかけられたけど、現場まで歩く道中で気力みなぎりました。
どんな場所も自然には変わりない。どこかにヒントがあるはずだ。
道中もヒントだらけ。何とかなるさ。
うれしい話も聞きました。
ここは豪雪地帯で杭を使った施工はほとんど通用しないとのこと。
「積雪グライド現象」と言われる雪の圧力でどんな杭施工も崩れるそうです。
ありがたい!こちらはそういうのが得意なんです。

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現場はこんな感じでした。
踏圧と流水で大きく掘れたガリー。
梯子がかかるほど深い段差。かなりの斜度。広くなった道幅。
確かにとても大変そうに見えるけど・・・頭の中で3分で完成しました。できます。

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二日目の講習は30名。
地元の名士、林業の方、行政関係者、お隣福井県からもたくさんの参加者。
作業解説中、ソウソウたるメンメンがドレドレと聞いている。キンチョウスルネ。

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皆さんに納得してもらってから作業開始。

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どんな場所にも必ずいてくれるチェンソーマスター。

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今後の希望の方々。

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さすが山男たち。
良い石担いでます。

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現場はいつも楽しげな雰囲気。
知識や技術よりも本当は一番大切なことだと思います。
明るい雰囲気の中では「やってみよう!」いう気になります。
それを作っている人がいる。
そういう人は地元にとってとても大事な人だと思います。

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こんな感じで完成。基礎木を使った段差処理です。
施工前・中・後

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下り時もジグザグに下りられるので不安ありません。

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豪雪地帯。来年はどうなっているでしょうか。

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講師役として行った講習会でしたが、こちらも大きな収穫がありました。
一昨年から大雪山で試行してきたことを
10年も前から試して結果を出していた方々がいました。
全く同じ考え方でほとんど同じ手法で。嬉しいかぎり。
どこかにはいるかもしれないと思っていたけれど、繋がりました。
今度詳しく紹介したいと思います。

山守隊のイベントについても紹介してきました。
来年はこちらに来てほしいし、
イベントを作ってもらってこちらからも行きたいですね。
そういう繋がりができるように努力したいと思います。

とても楽しい講習会でした。
皆さん、どうもありがとう!!

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