9月17日、今期もトムラウシ南沼キャンプ場の植生復元作業を行ないました。

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トムラウシ南沼のキャンプ場には携帯トイレブースはありますが
すべての人が利用しているわけではなく、植物帯へと分け入って
用を足す方が多くいます。
そういう方々はだいたい同じような場所を探して歩くので
植物帯が踏まれ、裸地化し登山道のような道になってしまっています。
関係者はこの道を「トイレ道」と呼んでいます。
(許可を得てドローンでの撮影)

DJI_0001_Moment

このトイレ道を放っておくと裸地化部に水が流れるようになり
登山者が踏まなくても流水により土壌が崩れるようになります。
現状はまだ何とか植生復元できる可能性があるので
昨年から試行的に復元作業が始まりました。

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資材はヤシネット。
裾合平でも原始が原でも使い方によって成果の出ている資材です。

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道中には、たまには山へ恩返しイベントで作った木道も。
今期のぬかるみはかなり少なくなりました。

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登りはじめは今にも雨が降りそうな天候でしたが
登るにつれ晴れ間も出てきた。
でも風が強い!!

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ほぼトムラウシ往復に近い場所で日帰り作業のため、
参加者を多く募ることができず、超人限定で声掛けをしていましたが、
山守隊のみでの作業と思っていました。
ですが、当日登りに来てくれた人や
現場にはこの作業を手伝うために前日から待ってくれている方がおりました。
超人がいたんです。

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キャンプ場から続くこの道を復元。
まずは侵食原因と施工方法を共有してもらうため
現場観察から始めます。

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一般の超人2名。元気です!!
来てくれてありがとう!!

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環境省上士幌の方々も前泊で現場にいてくれました。

ヤシネットはいろいろな使い方で。
場所によってただ丸めたり・・

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土を入れて丸めたり。

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かなりの重さがあるので、流水が多くなければただ置くだけで動きません。

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少々作業すると役割分担ができあがりスムーズな作業になりました。

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ひたすら丸めて・・

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このように設置。
ここは流水が周辺植物の種を流してくる場所。
種が引っかかる状態を作ればそこで発芽する可能性に賭けました。

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原始が原ではべた張りの場所よりもヤシロールに引っかかった種が
多く発芽していました。ここでも期待します。

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番線を切る人。

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凍結融解現象(霜柱)での崩れが見える場所には
部分的にべた張り設置もしています。
ですが基本的に植物には日光がとても大事だと思っているので
発芽を目的にしている場所ではべた張りはしたくありません。

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昨年の施工後を観察し、どういう場所では何が効果が高いのかを検証し
場所を見て、細かく判断しています。

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とは言え、トイレブースが1基しかないことが
トイレ道が付いている要因でもあります。
トイレブースの増設と登山者への普及にも力を入れなければならないですね。
最近はお一人様テント泊も多く
トイレも自分のテントの中で携帯トイレを使って済ませる
プロフェッショナルも出始めました。
山へ入ったら自分で考えて、自然に負荷をかけない方法を
模索していきたいものですね。

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トムラウシの登山者は年間数千人。
本州の山のように大規模なトイレが必要なわけではありません。
どんなに啓蒙しても植物帯を踏んで歩く人はいますが、
多くの人が今よりも携帯トイレを使い、大多数の人が植物帯を踏まなくなれば
少しのきっかけを作るだけで自然は復元する可能性があります。

南沼はまだまだ復元の可能性があります。
今後も啓蒙と復元のきっかけ作りを続けていきたいと思います。